僻地で陸マイラーの忘備録

僻地で陸マイラーの忘備録

地域医療にて勤務中の総合診療医夫婦の日頃思ったこと、マイル、診療、子育てなどつれづれなるままに書くブログ

“僻地で陸マイラーの忘備録”

橋本病(慢性甲状腺炎)です。

甲状腺って、首の前のとこにあって、

体を元気にするホルモンがでてるところです。

今日は、その甲状腺が破壊されていく病気についてのお話です。

 

 

 

病院実習にて

 

大学5年生の病院実習の時、内分泌の教授から

「なんか君、甲状腺腫れてない?」

そのまま、採血室、エコーにまわされる。

 

エコーにて

「腫れてるねー、えらいぼこぼこだねー。こんなにぼこぼこで全然症状ないの?」

「いえ・・・なんともないですけど・・・」

 

採血結果は、TSH、FT3、FT4は基準値内

しかし、抗TPO抗体、抗TG抗体陽性

(TSH、FT3、FT4は体を元気にするホルモン的な。

抗TPO抗体、抗TG抗体は、甲状腺を破壊するやつら的な。)

結果、橋本病(慢性甲状腺炎)という診断となりました。

 

 

 

橋本病(慢性甲状腺炎)とは 

 

橋本病(慢性甲状腺炎)とは、甲状腺の自己免疫疾患の1つで、自己抗体とリンパ球浸潤を伴う甲状腺組織破壊を認める疾患。

要は、甲状腺に対する攻撃部隊が体の中で何故か出来ちゃって、それが原因で正常な甲状腺が壊されていく病気です。

診断する時はこんな感じ。

 

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TSH、FT3、FT4の値にかかわらず、

抗TPO抗体、抗TG抗体が陽性になるか、

もしくは超音波検査や甲状腺の生検で陽性であれば

「橋本病(慢性甲状腺炎)」という診断がつくのですね。

驚くべきことは、その有病率の高さです。

なんと5〜10人に1人が橋本病です。

そのへんの人たち10人ぐらいを連れてきたら、誰かは橋本病。

頻度としてはめちゃめちゃありふれた病気なのに、

一般的にはあまり知られていない気がします。

ただし、橋本病のうち、甲状腺からホルモンが分泌されなくなって

甲状腺機能低下症を発症するのは数%。

1000人いれば4〜12人の割合とのことです。

 

 

甲状腺機能低下症

 

甲状腺機能低下症になると、

  • むくみ
  • 寒がり
  • 眠気
  • 便秘
  • 声枯れ
  • 低体温

といった、様々な症状がおこります。

これら甲状腺機能低下症の症状を認める人や、

甲状腺が腫れている人は、下のようにしてその後のフォローを決めます。

 

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私は1番左下の青四角の分類です。

その後就職し、テキトーな時期に自分で採血して

TSH、FT4、FT3を測ってました。

妊娠した時にはまた相談するようにって言われてたので、

ちゃんと妊娠した時には病院に行きました。

 

 

まだちゃんとホルモンが出てたので、

薬は飲まずに、子供を産んでからもフツーに生活してました。

 

 

また新しいとこに就職してしばらくして、

健康診断にて、LDL-Cho 140mg/dl1

悪玉コレステロールってやつが高い。。。

(LDL-Choが高い人の中には、

甲状腺機能低下症が原因の人も一定数紛れているんです。 )

 

最近、すごく疲れやすいし、

なんだか脚も太くなったような・・・

 

 

看護師さんにお願いして、採血をしてみる。

結果、

 

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んん、ほぼ基準範囲内やん・・・!

 

疲れやすいのは、夜泣きする娘の相手をするからであって、

脚が太いのはただ太ってきただけなのであった・・・。

うん、よかった(?)

次は半年後〜1年後、採血をしてみようと思います。