手足口病。
(記憶には無くても)みなさんきっと、
1度はかかったことのある病気かと思います。
手足口病の定義として、
「エンテロウイルス71、コクサッキーウイルスA16などによって起こる、掌、足の裏、口腔内の水泡を主訴とするウイルス性疾患である」
とあります。
でも、「疾患の名前では全てを表せない」と思いました。というのも、手足口ばかりでなく腕、脚、お尻にも沢山、沢山発疹が出てしまう場合もあるからです。
医師ではありますが、恥ずかしながらこの事を知らず(小児科研修の間も、大学病院での研修だったため、一度も手足口病に出会わなかった)、お尻に出来た発疹に対して、「・・・・!?」となってしまったからです。
娘が通う保育園で2人、手足口病のお子さんが出た、という話を聞いていたため、「もしかすると手足口病なのかも」とも思いましたが、あまり掌や足の裏に発疹は出ていませんでした。車で40分かかる小児科へ行き(第5類感染症で報告義務があるため、小児科に行った方がいいと思ったからです)、口の中やお尻の発疹などをみられ、「あー立派な手足口病ですねーわざわざ遠くからありがとうございます。」と言われたものです。
実際の娘の写真はこんな感じ。
ちょっと写真がぼやけていて分かりにくいですが、おケツ付近のものです。初日でこんな感じで、ここからまたたく間に水泡性発疹が増殖していきました。
診断から治療については以下の通り。
今日の臨床サポートより転載
手足口病のポイントについては以下の通り。
- 流行時期は初夏〜秋。
- 感染経路は糞口あるいは飛沫感染であるため、おむつ交換後は手洗いをする。
- 発熱や水分摂取不良(口の中の潰瘍のため水分摂取できなくなってしまう子供もいます)、髄膜炎、脳幹脳炎、弛緩性麻痺、ギランバレー症候群などの神経系合併症に注意が必要だが、一般的には自然治癒する予後の良い疾患。
- 登園・登校基準は①発熱が無い ②下痢をしていない ③口腔内の水泡・潰瘍の影響なく通常の食事が摂取できる の3つ。
幸い、娘は重症化することなく、合併症を起こすこともなく、回復傾向です。
ちなみに抵抗力の落ちた大人にも感染します。連日の睡眠不足のせいか(娘が夜中何度も起きます)、私にも感染しました。38.9度の高熱が出ました。そんな中通常通りの診療業務をしました。最後に点滴を打ってもらって帰宅しました。辛かったです。
高熱の翌々日、私の掌にも発疹が出ました。
今年は手足口病の流行年のようですね。皆様気をつけましょう。