みなさんはダニと聞くとどんなものを想像されますか?
ダニも意外と種類が多いですし、日常診療でもよく出会います。
そして田舎で診療をしていると
見たことないレベルの大きいダニ
に出会うことがあります。
こないだ来られた方は足の指を咬まれたとのことで来られました。
でかくないですか!?
ダニは吸血をするとどんどん膨らむため、時間が経つと風船のように膨れ上がります。
しかし、こんな大きいダニに刺されたままの状態は自分では全く想像はできません。
でも、田舎では日常茶飯事のようです。
無事除去できました。
いつも口が残らず除去できるか奮闘しております。
そんなダニの治療法(マダニを中心に)について今回はまとめていきたいと思います。
ダニに刺されないために
そもそも論ですが、まずは何より予防が大事です。
マダニは山の中だけでなく、河川の草むらや葉っぱにもついています。
基本的には草むらに入らないようにすること、
草むらに入る時は長袖長ズボンを着用のうえ、防虫スプレーを使うとよいでしょう。
ダニに咬まれるとどうなるか
マダニは口を皮膚に差し込んだ後、唾液腺から硬化物質をだして離れなくなるため、1〜2週間程度、体にずっとついた状態になります。
また、マダニからはSFTSなどのダニ媒介の感染症の口からは様々な感染症の原因となりえますので注意が必要です。
刺されてしまった場合
刺されてしまったらどうするか
基本的には病院受診を勧めますが、自力でなんとかできなくもありません。
(もちろん自力は推奨はしませんが、、、)
病院で処置を行う場合
ダニの抜去で大事なことは
「口吻を残さずに取ること」
です。
口吻が残ったままになってしまうと、接触性皮膚炎や皮膚潰瘍の原因となり、治癒まで時間を要してしまう場合があります。
なので、口吻を残さずにどう抜去するかが鍵となります。
手技を大きく2つに分けられます。
・小切開して抜去
・鉗子で抜去
の2つです。もちろん他にも方法はあるでしょうが。。。
まずはどちらの方法の共通として
①リドカインスプレーやキシロカインゼリーにしばらくつけて窒息死させます。
その後、
小切開する方法では
局所麻酔して18G針やメスで小切開します。
そうすると口ごとやさしくとれます。
鉗子で抜去する方法では
つかんでやさしく取ります。
私は後者の方法でやっています。
入念に口器が残っていないことを確認して、少しでも怪しかったら小切開を加えようと思っていますが、今のところは綺麗にとれています。
口器を上手に抜くコツ
ダニの口の形は歯間ブラシのような形をしています。
よくみてみてください。
結構そっくりですよね??
歯間ブラシをスポンジに刺すと引っ張るだけではなかなか抜けません。
それは人間に口吻が刺さった状態も同じです。
では、取るためにどうするか。
「くるくるまわしながらとる」
これが簡単に抜けるコツとのことです。
私も鉗子でつかみながらくるくる回してとっています。
ちなみになんですが、医師限定のアンケートサイトで
「マダニ咬傷の処置はどのように行うのがよいか」
という質問がありまして、
その答えとして
約6割のDrは専門医(皮膚科・外科)を紹介する
と返答したそうです。自分がやって口吻を残したら・・・など考えてしまうとのことでした。
それだけ口を残すのは厄介ということなんです。
だから、病院を受診をすすめています。
自分でとりたい場合
ここまで聞いても自分で取りたい場合はこちらの商品のようなマダニ抜去器を使って取るようにしてみてください。
1000円くらいで値段も手頃です。
紹介ビデオをみると、簡単に綺麗に抜去してました。
まとめ
以上、ダニの除去の仕方でした。
途中にも書きましたが、ダニに咬まれたことによりライム病やSFTSなどの感染症にかかる可能性があります。
ご自分でされる方は自己責任でお願いすると同時に、発熱や異変があればすぐに病院受診してください。宜しくお願いします。