「アナフィラキシーショック」
という病気をご存知でしょうか。
蜂に刺さたり、食物アレルギーのある方がその抗原にさらされたとき、体が起こす強いアレルギー反応のことで、軽いものでも、全身に蕁麻疹ができてかゆみが伴い、重症になると気管支痙攣などを起こして死に至るという怖い病気です。
たとえ若い方でも、気管支痙攣を起こせば死に至る可能性は非常に高くなります。
2011年まででも年間約50人前後の方が、このアナフィラキシーが原因で亡くなっています。
アナフィラキシーになってしまった場合、一秒でも早いアドレナリン(エピペン)投与が必要です。アドレナリンさえあれば、防げたはずのアナフィラキシーショックによる死亡数を減らすため、このエピペンは開発された経緯があります。
そんなエピペン、医師なら誰でも処方できるわけではなく、講習を受けた医師しか処方することができません。今回、オンライン講習を受けて、無事処方ができるようになったのでこの記事をまとめました。
アナフィラキシーの機序
医師の方でしたら、国家試験の時に嫌という程勉強した基本的事項になります。
アナフィラキシーは、IgEとアナフィラトキシンとの反応が関与しておこります。この時、肥満細胞からヒスタミンや他のメディカルメディエーターが遊離され、ヒスタミンが細動脈の血管拡張や、気管支痙攣を引き起こされます。また、ヒスタミンやメディカルメディエーターが全身にわたることで、血管拡張作用および血管内から組織への体液漏出が起き、ショックに至るとされています。
アドレナリン(エピペン)の働き
アドレナリンはアナフィラキシーのときは本当に有用です。
肥満細胞が脱顆粒するのを抑制して、症状の進行を抑えます。
大腿外側に0.3mg筋注するのが基本となります。
エピペンには0.15mgと0.3mgの2種類があり、これは医師でなくても周りにいた人が使用することができます。
例えば、保育園で児童がアナフィラキシーになった場合、保育士さんが使用することもできますし、救急救命士の方も使用可能となっています。
エピペン処方の登録方法
まずpfizerさんのHPにいきます
そこからエピペンの登録用ページにいきます。
画面左側の製品検索の欄からもいくことができます。
そのページからすぐエピペン登録講習のページへ移行できます。
エピペン処方には約20分のオンライン講習と3つの問題を解くことが必要になります。
適応や
用法用量など
のビデオを見たのち、テストがあります。
こんなのが3つほどあり、すぐ終了です。
最後に医師登録をして終わりです。
比較的簡単に終わりました。
これで無事エピペンを処方することができます。
まとめ
僻地の医療において蜂咬傷は避けては通れない疾患です。
恥ずかしながら、今更講習を受けました。もっと早く受けるべきでした。
アナフィラキシーショックによる死亡が一人でも減ればいいですね。
Pfizerさんからもエピペンについて
患者様向けのHPも作成してあります。
あと今回のビデオに話がでていたのですが、エピペンで症状がおさまったからって病院に行かなくていいやっていうのはNGです。
あくまでアドレナリンの効果は短時間で、応急処置的な意味合いも強いです。
必ず、病院を受診するようにしてくださいね。
ヒアリが増えてしまった場合、エピペンの処方も増えるのかな。。。
以上、アナフィラキシーについてでした。