僻地で陸マイラーの忘備録

僻地で陸マイラーの忘備録

地域医療にて勤務中の総合診療医夫婦の日頃思ったこと、マイル、診療、子育てなどつれづれなるままに書くブログ

“僻地で陸マイラーの忘備録”

医療

学会発表用ポスターの持ち運びを100均アイテムで安くで簡単にしよう

学会でのポスター発表に使える小ネタのご紹介です。経験ある方ならわかっていただけると思うんですが、 「1枚刷りのポスターを綺麗に運ぶのって手間で大変」 ですよね。 折りたためないし、かといって普通に持って言ったら潰れるし。。。 楽天でポスターを持…

医学書・専門書はメルカリで結構高値で売れます〜本の処分方法比較検討〜

皆さんは医学書・専門書の処分はどのようにされていますか? 医学は進歩してゆくものですから、今手元にある本はいずれ古くなります。また、自らが置かれたステージによっても読むべき医学書は移り変わっていくものです。 今回、医学書・専門書の処分方法に…

ウコンは二日酔いに本当に効くのか、文献を調べてみた

アルコールを飲む前に「ウコンの◯」を飲むと身体にいいらしい 誰もが一度は聞いたことあるフレーズではないでしょうか。 街のコンビニには、ウコン関連商品がたくさん並べられ、 どんだけ日本人にアルコール飲ませるつもりやねん と言いたくなるほど、ウコン…

“ナースときどき女子”看護師さん向けのほっこり情報サイト

みなさまいつもお仕事お疲れ様です。 今回はナースの方にナース専門の情報サイトをご紹介させていただきます。 ご紹介しますのは、 「ナースときどき女子」 byレバレジーズ株式会社 というサイトです。 kango-oshigoto.jp これから少し紹介をさせていただき…

【書籍紹介】カール先生の大腸内視鏡挿入術

今日は、軽部友明先生著「カール先生の大腸内視鏡挿入術」について、恐縮ながらレビューさせて頂こうと思います。 カール先生の大腸内視鏡挿入術 [Non-loop法の挿入理論とテクニック] 作者: 軽部友明 出版社/メーカー: 日本医事新報社 発売日: 2014/07/02 メ…

2018診療報酬改定に伴い、抗不安薬・睡眠薬の長期投与が減点対象!簡単にまとめてみました。

2018年は診療報酬改定の年です。 今回の診療報酬改定では、オンライン診療報酬のアップや、地域包括ケア病棟の入院費用アップなど注目すべき点は色々ありますが、 この記事では向精神病薬の長期投与に伴う診療報酬の改定についてお話させていただこうかと思…

栄養ドリンク3本飲んだらめっちゃ下痢になった話【+カフェイン中毒の話】

タイトルからも予想がつくとは思いますが、今日は半分ほど駄文です(が、真面目な話もちょっとします)、お付き合いくださる方だけどうぞ。 当診療所では、患者様が少ない時間帯を狙って、1日1回のもぐもぐタイムが設けられています。 そのもぐもぐタイム…

ベルソムラでBZ系睡眠薬を辞められる話〜ベルソムラ使用成績の中間報告について〜

以前、【新しい睡眠薬「ベルソムラ」の使い方】という内容で記事を投稿させていただきました。 www.hekichi-miler.com 今や、BZ系の睡眠薬は転倒骨折のリスクや依存性などが問題となっています。そのリスクを鑑み、BZ系の睡眠薬を全く出さない病院もあります…

【ヒポクラ】医師同士をつなぐコンサルテーションアプリが心強い件

まだ右も左もわからない研修医だった時、上級医の先生から、 上級医:先生、「ヒフミル」って知ってますか? 私:ひふみる??? 上級医:皮膚科って、結構難しいですよね。でも皮膚は目に見えるものだから、視覚的な情報で診断することが多い。スマートフォ…

【体験記】急性副鼻腔炎で上顎洞穿刺・洗浄しました。

急性副鼻腔炎。 Common disease(ありふれた病気)であり、医師国家試験にもよく出題されます。 medu4.com 医師国家試験過去問データベース111D25 より拝借 成人における急性副鼻腔炎は、子育て中の30代の女性に多いとのこと。理由としては、子供が保育園で…

尺骨遠位端単独骨折は手術か保存治療が可能か

橈骨遠位端骨折によく併発する「尺骨遠位端骨折」 文献にもよりけりですが、橈骨遠位端骨折の約3-8%に合併します。 茎状突起骨折をはじめとして頻度は多い部分ではありますが、手術かどうかに関してはまだまだ議論が別れているところで、一定の見解は得られ…

【それってただのしもやけですか?】しもやけ(凍瘡)の鑑別・治療まとめ

冬になると悩まされることも多い「しもやけ」。 中学校の時、冷えた体育館にしばらく座っていて両足がしもやけになり、激しい痛みのため全く歩けなくなって病院におんぶされて行ったことがあります。 (待合室の患者さんから「何事・・・!?」って感じで見…

2秒に1回しゃっくりが出る患者さん

研修先の病院で、2秒に1回しゃっくりが出る患者さんに出会いました。 高齢の男性で、もう1ヶ月に及ぶとのこと・・・。 今日はしゃっくりについてのお話です。 しゃっくりとは しゃっくりの原因 しゃっくりが止まらない時に行う検査 しゃっくりの治療 しゃ…

観葉植物「ドラセナ・コンパクタ」を知り合いの先生の開業祝いに贈った話

先日、自分が研修医だった頃に大変お世話になった先生が、念願の開業をしました。 奥様の実家の近くだそう。 ずっと「地域に根ざした医療がしたい」と願っていた素敵な先生なので、喜ばしいことだなあと思って、研修医時代の同期とともに、お祝いに行くこと…

エコーで肝硬変の重症度がある程度がわかるようになったらしい。

自分が子供のオムツを替えている時も、ブンバボーンを踊っている時も、 どんどん医学は進歩していくものです。 かつて学生時代に教わったことが、知らないうちに変化していっています。 今日は肝硬変とエコーについての話です。 昔の肝硬変の診断方法 どうや…

ハピタス完全攻略〜医療者従事者編〜

陸マイラーにとっては最も有名なポイントサイトである 「ハピタス」 陸マイラーとは何か、興味のある人はこちらの記事をどうぞ。 www.hekichi-miler.com 陸マイラーになると、航空会社ラウンジを自由に使えるなどの各種特典があります。 以前から、ハピタス…

歯科矯正をすることにした〜①抜歯編〜

この度、わけあって歯科矯正を行うことにしました。 骨格性上顎前突、オープンバイト、下顎が小さいそうです。 顎関節症もあります。 うーん、残念です。 今日は歯科矯正について、主に抜歯についての話です。 歯科矯正治療計画 矯正器具の色々 昔ながらの金…

がん検診。どの検診を何歳から何年毎に受けたらいいのか?

先日、タバコを40代後半まで吸っていた私の父の肺のCTに、謎の影が写りこみました。 癌なのではないかととても心配しましたが、よくよく父から経過を聞くと、「一時期、緑色の痰がたくさん出たんだよね・・・」と。 しばらく経過観察していくと、結局は炎症…

インフルエンザワクチンの基礎。結局どのくらい予防できるのか?

今年のインフルエンザワクチン、不足が叫ばれて久しいですよね。 当院は僻地の小さな診療所ですので、残念ながら早い時期から在庫がなくなりました。次の入荷の目処は立っていません。 今日は、インフルエンザワクチンの基礎についてまとめたいと思います。 …

「トップジャーナルから学ぶ総合診療アップデート」がかなり秀逸な件

研修先の病院の院長先生から勧められた本、 「トップジャーナルから学ぶ総合診療アップデート」 中田和正 著 2017/1第2版出版 筆者である中田先生は自治医科大学出身でおられ、現在西伊豆健育会病院院長でいらっしゃいます。 この本のまえがきの部分に 「私…

腕に貼るだけで血糖値が自動連続測定できる「FreeStyleリブレ」について

血糖値測定。 糖尿病で、特にインスリンを使用している患者さんには馴染みの深い行為だと思います。 パチッと、針で指を穿刺して血液を少量出して、それを血糖値測定器につけて測定する、というのが一般的かと思います。 今回、インスリン注射を使用している…

アミティーザカプセルの使い方、副作用への対応について

2012年に発売された、今現在最も新しい便秘薬と言われる アミティーザカプセル(24μg) 発売してまもない時期に、とある消化器内科のドクターからこう言われました。 「アミティーザカプセルはマジで最強だから最終手段な」 便秘の薬といえばプルゼニドかマ…

おならと乳酸菌の話。

ある夜、娘がパジャマのズボンを履きながら、 ブ、ブブ、 ブブブブブブリブリブリブブブブブリブリブリ・・・ 今日はおならと乳酸菌についての話です。 おならの原因 臭くないおなら、臭いおなら 乳酸菌(≒プロバイオティクス)の話 プロバイオティクスの効…

「頼れる主治医になるための高齢者診療のコツを各科専門医が教えます」を読んでみた

今日はこの本、 「頼れる主治医になるための高齢者診療のコツを各科専門医が教えます」 木村 琢磨 ・ 松村真司 著 とても魅力的なタイトルです。 僻地に赴任する前、町の書店で偶然発見し思わず買ってしまいました。 今日はそのレビューを書こうと思います。…

「肩痛・肩が痛い人」への診察のポイント

僻地で総合診療をしていると、 「肩が痛いんです」 という患者さんがまあまあ来られます。 研修医時代、「肩の痛み」に初めから対応することはほぼありませんでしたので、僻地で診療するようになってから、戸惑うことも多くありました。 が、戸惑ってばかり…

骨粗鬆症と変形性関節症との関連について

骨粗鬆症、変形性関節症 いずれの病気も、一般の方もよく聞かれる名前だと思います。 地域医療外来では最もよく出会う疾患です。 骨密度低下に伴って骨折リスクが増える骨粗鬆症 関節軟骨の減少によって関節がいたむ変形性関節症 それぞれ全くの別の病態と考…

マダニに咬まれた後も注意。SFTSの話(2017年版)

今日も、ダニに咬まれた人が来ました。 体長2.5mmの小さなダニです。数日前に咬まれたらしく、取ったときには既に死んでいました。 多分、一番右下のキチマダニってやつだと思います。 特に西日本ではダニが媒介する、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)が問…

歯科治療を行うとき、ビスホスホネート製剤や抗RANKL抗体を中止しなければならないのか?(顎骨壊死検討委員会ポジションペーパー2016より)

医師国家試験でもヤマとなる、 「ビスホスホネート製剤(=BP製剤)による顎骨壊死」。 私自身も、医学生時代には 「骨粗鬆症や癌の骨転移の治療でビスホスホネート製剤を使用している患者に歯科治療を行う場合には、ある一定期間休薬しなければならない」 …

あなたのチャイルドシートの安全性は大丈夫??非正規品には危険なものも

2017年現在、道路交通法で6歳未満の子供を自動車に乗せる場合、チャイルドシートの使用が義務付けられています。 我が家も、こどもの誕生に合わせて購入して、実際に後部座席につけて使用しています。 でも実際に使用しはじめると 「子供が泣き始めると大変…

いきむと脳梗塞になる?〜頑固な便秘にご用心〜

もうすぐ1歳半になる娘。 朝起きた時や食後に、 娘「・・・ウ・ンッ・・・・・フンッ・・・」 私(・・・おー、今日も元気にいきんでおるな・・・。) ・・・今日は、いきみと脳卒中についての話です。 トイレで起きる病気 いきむと脳塞栓症が起こりやすい…