学生時代の話です。当時、ミーハーだった私はコンサートスタッフのバイトをしていました。
「コンサートは楽しいし、お金ないから無料でライブを味わえるのは嬉しいし、ライブの裏側ってなんか面白そう」
そんな単純でよこしまな動機でコンサートスタッフアルバイトの面接を受け、無事合格しました。
「えっ、医学部の学生さんなの!?」
面接で試験の方に驚かれたのを覚えています。
医大生でこのバイトを選ぶ人は珍しいようです。
医学生って結構狭いコミュニティに生きていることが多くて、アルバイトも家庭教師や塾講師が中心であることが多く、それ以外では近くの居酒屋や飲食店で働く人が多いです。みんな勉強や部活を一生懸命やっていて時間もないので、家庭教師のようなバイトが間違いなく効率がいいです。
私も部活を一生懸命にやっていましたが(勉強は・・・)、部活動費であったりとか、後輩におごったりとかのお金が必要でしたので、家庭教師などもやっていました。しかし
「どうせこれからの人生、ずっと病院にいることが決まっているんだから、今のうちにいろんな世界を楽しみつつバイトができれば最高じゃん。」
そう思ってこのバイトを始めることにしました。
関東の大学に通っていましたので、東京内でのコンサートやさいたまスーパーアリーナ、地域のコンサート会場など大きいものから小さいものを含めておそらく20〜30近くのコンサートに関わりました。
本当は社外秘(?)であまり好まれた話ではないかもしれませんが、もう5年近く経って時効かと勝手に判断して、ここにつれづれなるままにつづろうかと思います。
※コンサートバイトのお話をシリーズ化しました。
第3回 大型ステージの解体・連続勤務20時間の激務を経験しました
コンサートスタッフの仕事内訳
コンサートスタッフは仕事内容別に分けられます。
大きな区分として
会場設営・撤去
グッズ販売
ケータリング
場内会場整理
です。
それぞれ小分けに説明します。
会場設営・撤去
会場設営・撤去はかなりの力仕事です。メインとして工事現場のおっちゃん(中には怖い人もいます)方達の指示をもらいながら、ひたすらものを運んだりする仕事です。ステージ上のスピーカーや土台、カーペットなどなどコンサートで必要な荷物はかなりあるんだなと働いて初めて知りました。そして重いものが多い。。。
一番重いのはPAといって音響をつかさどる中心のやつ
これです。これはかなり重いです。
仕事が終わったら汗だくです。真夏のときはかなりこたえます。
グッズ販売
グッズ販売は女性の方がされることが多いので、私はあまり関わったことはないので深くはわかりませんが、かなり大変そうです。
コンサートに行かれた方はわかるかと思いますが、コンサート前後はひたすら物販に列が並びます。延々と声をあげて、最後のお客様がいなくなるまでひたすら目の前のお客さんをさばいていくわけです。ピーク時はずーっと休みなしに働いています。
ケータリング
スタッフやステージ登場の方、アルバイトの方に食事を準備する係りの人です。
ここに関しても女性がやることが多いからか、あまりわからないのが正直なとこです。
場内会場整理
これはみなさんよく目にしているコンサート内でスーツを着てたっている人達です。
コンサート開始前に列を乱さないように注意を促すのはもちろんですが、コンサート中も、会場内に外にでる方がいればそれをサポートしたり、写真撮影している人がいないか注意をこらしたり、会場の一番前でお客さんが前に出過ぎないように見張ってたりして、コンサートが終わっても、忘れ物がないかチェックして最後のお客様を見届けるまでと意外とやることは盛りだくさんなんです。
仕事中はひたすら同じワンフレーズを2時間くらい延々と繰り返して話さないといけないこともあります。
以上、大きくわけて4つが仕事の内容になります。
小規模のコンサートでしたら、これら全てを同じ人でやることもあります。
朝一でコンサート会場設営を行なって、コンサートの整理をやって、コンサートが終わったら会場撤去までやって帰宅する。
朝8時くらいから夜20時くらいまでのフルコースになります。
案外楽しいですけどね。
バイト勤務する仕組み
私の会社の場合はメールで仕事募集の通知が来るシステムでした。
⚫️月⚫️日
会場:さいたまスーパーアリーナ
「なんとかコンサート」 アーティスト 誰々
時間:12:00〜20:00
業務内容:会場案内
時給:900円
募集人数:30人
こんな感じで募集が来ます。
勤務したければ勤務希望を出して、勤務したくなければ応募しなければすみます。
予定が空いているところだけスポット的にはいれるので、勤務量が調整しやすかったです。本気でされている方も中にはたくさんいらっしゃいますが、私は興味があるものを優先的に選んで仕事に出かけていました。
勤務はいつも食事が付いてて、交通費もつきましたので、その日はほとんど出費することなく1日を過ごすことができます。
この仕事で生活している人も中にはいて、その人達はメールで仕事を選ぶのではなく、一ヶ月分会社がシフトを組んでくれるそうです。
バイトしている人の中には、歌手を目指している人もいて、オーディションを受けた時の話など聞かせてくれました。
コンサートスタッフのあるある
コンサートスタッフをやっている間に色々な経験をしました。
コンサートスタッフをやっていると、いきなりアーティストと出くわすこともあります。
実は、アンコールをするかどうかは事前に決まっていてそのセットリストも最初から決まっていて、なんてことを知ります。
アンコールは今回ないって打ち合わせで私たちは知っていても、いざコンサートが終わると、ずっとアンコールを待ち続けてているお客さんがいて、それをみていたたまれなくなって、アンコール本当にないのかなってちょっと期待してしまう自分に出会います。
コンサートの入り口でチケットをもぎっていた人は、実は途中から一番前列でロープを持つ人にすり替わっていることがあると知ります。
コンサート開始のときはスーツを着ていた人が、最後は黒のTシャツの人にすり替わっていることもこのとき知ります。
いきなりおばちゃんが現れて「スタッフみんなで食べて」って大量の饅頭を手渡されたりすることがあります。
コンサートと誕生日がかぶると、かなりの数のプレゼントで受付のプレゼントボックスが満杯になる姿に驚愕することがあります。
お客さんにいきなり怒られることもあります。
コンサート中、彼氏が露骨につまらなそうにしてて彼女がなだめながらライブを観ていたりする少し寂しい後ろ姿をみることがあります。
会場設置の後のお茶がかなりの幸福感を与えてくれることを実感します。
コンサートスタッフの中には、A○Bメンバーの彼氏が混じっていることがあります。
とりあえず言えることは、病院の中ではなかなか出会わない経験がたくさんころがっていました。
機会がありましたら、また書いてみようかなと思います。