僻地で陸マイラーの忘備録

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地域医療にて勤務中の総合診療医夫婦の日頃思ったこと、マイル、診療、子育てなどつれづれなるままに書くブログ

“僻地で陸マイラーの忘備録”

「頼れる主治医になるための高齢者診療のコツを各科専門医が教えます」を読んでみた

今日はこの本、

「頼れる主治医になるための高齢者診療のコツを各科専門医が教えます」

木村 琢磨 ・ 松村真司 著

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とても魅力的なタイトルです。

僻地に赴任する前、町の書店で偶然発見し思わず買ってしまいました。

今日はそのレビューを書こうと思います。

 

  

これまで総合病院の外科に勤務しておりましたので、僻地で診療をしていると、今までに診たことのない専門外の疾患に出会うことが度々あります。

なにゆえひとりぼっちの診療所なので、書籍やインターネットなど、あらゆるツールを駆使してどうにかこうにか対応していくのですが、

 

「緊急性はなさそうだけれども、果たして専門医に紹介した方がいいレベルのものなのだろうか?」

「可能な範囲で処方してみたけれど、なかなか効果が得られない・・・」

となることもありますし、

交通手段が無く、眼科や皮膚科などの専門医の受診までハードルが高い患者さんもしばしばいらっしゃいます。

 

 

この、

「頼れる主治医になるための高齢者診療のコツを各科専門医が教えます」

という本は、僻地で高齢者を診療する医師の悩みに寄り添って作られたかのような仕上がりです。

 

例えば、当院でもよく遭遇するのが

「眼科でもらっていた薬を、ここでもまたもらえないでしょうか。眼科になかなか行けなくて・・・」

 

80代女性。手帳を見ると、白内障用の薬が処方されていあす。

定期的な眼科受診が望ましいことはもちろんです。しかし、患者さんの生活状況を鑑みると、「いえ、うちでは出せませんから」と突き放すわけにも行きません。

「白内障の点眼の長期使用による副作用はないのだろうか?」

「中止した場合はどうなるのだろうか?」

専門外の医師からすれば、研修でも受けていない限り、正直眼科の知識はとても乏しいです。学生時代に教わった最低限の知識しかありません。もちろん、目の検査ができる機械なんて当然無いですし・・・。

そういった時、とても役に立つのがこの本です。

 

この本のつくりとしては、

  • 高齢者の訴えでよくありがちな訴え
  • それぞれの訴えに対する、一般臨床医のアプローチの例
  • 専門医からの具体的なアドバイス
  • コンサルテーションのタイミング の流れとなっています。

 

 

内容の見本が閲覧できるようになっていますので、一部ご紹介します。

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このように、基本的には見開きで1つの疾患や訴えを扱っており、コンパクトにまとめられているのでとても見やすいです。

 

僻地で頑張る仲間、高齢者診療に携わる医療者の方の参考になれば幸いです。

 

 

 

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www.hekichi-miler.com

 

 

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