僻地で陸マイラーの忘備録

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地域医療にて勤務中の総合診療医夫婦の日頃思ったこと、マイル、診療、子育てなどつれづれなるままに書くブログ

“僻地で陸マイラーの忘備録”

酔い潰れた人を介抱する際に知ってて欲しい4つの対処法

毎年ではないでしょうが、大学生が飲み会で命をなくしてしまったというニュースがよくみられます。

将来ある若者がこんな残念な形で命を失うのは本当に勿体ないですよね。

 

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私の入学した大学では、入学したての4月最初に先輩や先生に

「飲み会での介抱の仕方」

を教えられました。大学生活で最初に教えられたことの一つです。

 

その教訓を胸に

飲み会中、人がやばそうだったら助けましたし

自分がやばい時は、助けてもらいました

 

学年が上がるにつれて医学的知識も増えて、より色々考えながら介抱するようになりましたが、根幹として入学時に教わった教訓が存在しています。

 

アル中の予防に関して詳しい説明は、他サイトにたくさんありますので、しっかり知りたい人はググればいっぱい出てきますのでそちらをご参照くださればいいかとおもいますが

この記事では、

人死なさないためにとりあえず最低限これだけは覚えておいて!!

って内容だけに絞って、簡単に酔いつぶれた人への対処法をまとめてみました。

もしよければ参考にしてみてください。

 

※よろしければこちらの記事も読んでみてください

 

www.hekichi-miler.com

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www.hekichi-miler.com

 

 

 

急性アルコール中毒について復習

とはいってもとりあえず急性アルコール中毒についておさらい

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この中で重要なのは

意識障害、昏睡状態はかなり注意が必要

ってことです。いびきをかいて寝ている人にも注意です。

意識障害や昏睡が強くなると、呼吸が止まってしまうこともありますし、いびきをかくってことは舌根沈下が起きてて、気道が狭くなってますってサインなのです。

 

まずは、ここに注意しましょう。

 

飲み過ぎは絶対に身の回りで起こりうる

「飲み過ぎ・一気飲みはやめましょう」

とよく注意喚起されますが、飲み会中はみんなどんどん酔っ払ってきて陽気になっちゃいます。誰も冷静とは言えないのです。

また、仮に気をつけてても「今日の自分の限界」は体調によってその日その日異なります。前回の限界より今日の限界は浅い可能性もあります。

 

なので大事なことは

「自分が元気なうちは誰か潰れた人がいないかちゃんとみとく」

という気持ちをお互い持っておくことじゃないかと思います。

もしかしたらその気持ちが一番大事かもしれないです。

 

潰れた人を救えるのは周りの冷静な人間にかかっています。

 

酔い潰れた人を見つけた時の4つの対処法

飲めそうだったら水を飲ませる

意識がある比較的浅いうちだったら、まずは水を飲ませましょう。アルコール血中濃度が少しでも下がる可能性を期待します。

もし何回か嘔吐を繰り返している人だったら、

ポカリスエットなどのイオン水の方がbetterです。

嘔吐を繰り返すと体内のH+イオンが失われてしまうので、可能なら補充できるうちに補充できるといいかなと思います。

 

とりあえず回復体位に寝かしましょう

回復体位ってご存知ですか??

ご存知の方もいらっしゃるかとは思います。

昏睡した人は仰向けに寝かしたままにしてはいけません。

なぜなら、

突然嘔吐して窒息してしまうことがあるから

 です。

人は窒息してしまうとものの数分で命を落としてしまいます。

一番大事なのは「窒息させないこと」

その予防として回復体位があります。

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重要なのは

・横向きに向かせる

・顎を上げて、上の手を頭の下におく

・上の足は軽く曲げる

 

この体位の優れているところは気道確保されているところです。吐いても吐物はとりあえず横に流れます。

上にくる足はしっかり曲げてあげた方が安定する印象です。

 

潰れた人を絶対に一人にしない

当たり前だとは思いますが、

酔い潰れた人は絶対に一人にしないようにしましょう

 

酔いつぶれた人はいつどこで寝てしまうかもわからず

仰向けで寝て窒息する可能性もあれば

冬ならどこかで寝てしまって凍死してしまうかもしれません

 

飲み会が終わって酔いつぶれてる人がいたら、

誰かが家まで責任もって送って回復体位に寝かせましょう

可能であれば朝までついてあげましょう

 

ほんとに可能だったら、ぜひその人の家に泊まっていってあげてください。昏睡状態って想像以上に危険なんです。

 

やばいと思ったら病院に連れていくのをためらわない

これ大事です。本当に大事です。

昏睡が深いとき(痛み刺激を与えても目をさまさない)や呼吸に異常があるとき(過度の頻呼吸や深呼吸)

 

こういう症状がある時はためらわず、病院に連れていってくださいね。

正直なところ、当直中にアルコール中毒がくると、

「なんだよー、しっかりしてくれよー」って気持ちにはなりますし、(医師だって人間ですもの)

アル中の方は酔っているので暴力的な行為がみられることまり、トラブルが起こることもしばしばです(実際経験もあります)。

 

なので、病院からはいい顔されないかもしれませんが、

みんなに嫌な顔されてでも病院に連れて行くべきです。

死なせてしまうよりは100倍ましです。

そこは私たちもわかっているところなので、やばいときは迷わず病院にいってもらって大丈夫です。

 

まとめ

以上、酔い潰れた人を殺さない方法でした。

かなり簡略化して書いていますので、きちんと勉強されたい方は他を参照してくださいね。

 

自分も学生時代、友人を自分の大学の救急まで連れていった経験もありますし、自分を家まで運んでもらったこともあります。もちつもたれつ助け合ってきました。

 

この内容なら一般の方でも十分に出来ると思いますので、誰かの役に立てばいいなと思いつつ、記事にしました。

 

せっかくの楽しいお酒の席、みなさん事故のないように楽しんでください。