僻地で陸マイラーの忘備録

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地域医療にて勤務中の総合診療医夫婦の日頃思ったこと、マイル、診療、子育てなどつれづれなるままに書くブログ

“僻地で陸マイラーの忘備録”

アミティーザカプセルの使い方、副作用への対応について

2012年に発売された、今現在最も新しい便秘薬と言われる

アミティーザカプセル(24μg)

 

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発売してまもない時期に、とある消化器内科のドクターからこう言われました。

 

「アミティーザカプセルはマジで最強だから最終手段な」

 

便秘の薬といえばプルゼニドかマグミットぐらいしか知らなかった、当時研修医の私は、

「へぇ〜、そんな最強な薬があるんですね〜」

ぐらいの認識でしかいませんでした。

 

 

最近は、アミティーザカプセルを処方させてもらうことも、ちょくちょくあるようになりました。

高齢者の便秘に対するファーストチョイスの1つとして使用されるようになってきているこの薬。実際の処方経験から、使い方や副作用への対応など諸々述べようと思います。

 

 

 

アミティーザカプセルの仕組みと使い方

アミティーザカプセルは、これまでの

「便を柔らかくして出す」

「腸管運動を良くして出す」

という仕組みとは全く異なる作用機序で排便を改善します。

腸管には水分を司る、クロライドチャネルというものが存在します。アミティーザはこのクロライドチャネルを活性化し、便に水分を含ませて良い便の状態にする、というものです。

(ツムラの会社の人曰く、実は、漢方でいう「潤腸湯」と同じ働きだったりもするそうですが)

使い方としては、添付文書上は1回1カプセル(24μg)を1日2回、朝食後と夕食後に服用、となっています。

 

 

アミティーザカプセルの副作用

最も多い副作用としては、

「下痢」

「悪心・嘔吐」

が報告されています。

副作用の出やすい人の特徴としては

「若年女性で細身であること」

が挙げられています。

実際の処方経験からも、やはり女性の患者さんには悪心の副作用が出やすいようで、中には1回飲んだだけで1日辛かった・・・という方もいらっしゃいました。

 

 

副作用(悪心・嘔吐)に対応するには

悪心・嘔吐はただでさえ辛いものです。これらの副作用に対応するには、予防的にイトプリドを内服することが有効であったとの論文も発表されています。ナウゼリンなどでも有効であるとの話もあります。

また、アミティーザカプセルの内服を継続することで、1週間程度で副作用が気にならなくなる場合もあります。

 

 

さいごに

市販の便秘薬(刺激性下剤)を乱用しすぎると、耐性が生じてきて、これまで飲んでいた量では効かなくなって、薬の量が増えて、また耐性ができて・・・と悪循環になることもあります。もちろん、出ない時に時々使うぶんには問題ないのかなとも思うのですが、習慣的に使用するのはちょっと考えものです。

副作用が出やすい人はちょっと注意が必要ではありますが、アミティーザカプセルは耐性が生じにくいとされているので、その点についてはいい薬なのかなという気もしています。

市販の下剤を乱用している、というは、一度医療機関へ相談してみてはいかがでしょうか。

※ただし、妊娠中の女性には禁忌薬となっています(動物実験において早流産を起こす個体が報告された)ので、 妊娠する可能性のある女性は注意が必要なお薬になりますので、気を付けましょう。

 

参考文献

「慢性便秘症に対するルビプロストンの効果と副作用の検討」 安部達也

 

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