急性副鼻腔炎。
Common disease(ありふれた病気)であり、医師国家試験にもよく出題されます。
medu4.com 医師国家試験過去問データベース111D25 より拝借
成人における急性副鼻腔炎は、子育て中の30代の女性に多いとのこと。理由としては、子供が保育園でウイルスをもらって、それが母親に移って・・・というケースが多いからなんだそう。
わたくしも例にもれず、アラサー世代の女性。急性副鼻腔炎になってしまいました。
いつもは治療する側なんですが、今回は俎板の鯉状態で治療を受けましたのでその体験記です。
先行感染
風邪をひき、1週間ほど続く鼻汁があり、色も黄色で汚いのが続いていました。
鼻をかんで極力出そうとしていたのですが、どうしても出せない時間帯なんかもありました。
右頬の違和感と叩打痛の出現
だんだん右頬の違和感が出てきて、おかしいなーと思っていました。指でトントンと叩くと痛いです。下を向くと明らかに右頬が痛みます。この時点でおそらく急性副鼻腔炎だろうなとは思っていましたが、病院を受診することが出来ず、我慢していました。今までもこういうことはたまーにあったし、もうちょっとしたら治るかな、と。
発熱・右眼と右上側の歯の痛みまで出てきた
右頬の違和感が出現してから3日目。朝起きると明らかに右頬の自発痛があります。指で頬を優しく触っても痛みます。熱を測ると37.7℃、ずっと変な寒気があります。
仕事には行きましたが、痛みと寒気との戦いです。患者さんをさばきつつ、抗菌薬も服用してみましたが、一向によくなる気配などなく、痛みは右眼や右上側の歯にも広がってきました。
『あかん・・・これあかんやつや・・・。
そういえば、前勤めてた病院で副鼻腔炎から脳膿瘍になった人がいたなあ・・・。
・・・・・ これ、ちゃんと治療してもらった方がいいな・・・』
耳鼻科受診、上顎洞穿刺・洗浄
地域の方には非常に申し訳なかったのですが、やむなく午後から診療所は休診となり、急遽耳鼻科を受診します。
病院に着くと38.3℃。レントゲンでは右の上顎洞に美しいニボー像(空洞の中の上が空気、下に液体が溜まっている状態)が。
優しそうな耳鼻科の先生「急性副鼻腔炎の激しいやつだね〜。」
抗菌薬の処方で経過観察されるつもりだった様ですが、明日には元気じゃないと困るんです、と半ば強引にドレナージして頂くことに(抗菌薬のみだと痛みが1週間続くこともあるんだそう)。
10分間、鼻に麻酔をします。
鼻の奥に器具を入れられます。
先生「すんごく痛いよ?痛すぎたら撤退するね?行くよ?」
私「〜〜〜〜〜〜 !!!???!???!??uxu`woあっつtxyをfさ青江tp」
ガスッ
器具が骨を貫通する音が直接脳に響きます。
洗浄がまた痛い、というかそれよりも自分で膿盆を持たされてウェウェ汚い膿を吐いてる構図がなんか客観的に辛い。
大の大人が、受診が終わった後車の中でポロポロ泣きました。
処置後の経過
ドレナージの効果は本当に絶大でした。
翌日には痛みが1/4ほどになり、そのまたさらに翌日にはほぼゼロに。
鎮痛剤も使用することなく、早く日常生活に戻ることができてホッとしました。
耳鼻科の先生、無理言ってすみません助かりました。
さいごに
急性副鼻腔炎。
ありふれた病気ではありますが、先にも述べた様に脳膿瘍や髄膜炎の原因となることもありますので、疑わしい時には早めの病院受診をお勧めします。
その他医療系体験記も興味のある方はどうぞ。
<参考文献>
・急性副鼻腔炎診療ガイドライン(2013年追補版) 〔日内会誌 105:2403~2408,2016〕
・medu4.com 医師国家試験過去問データベース111D25