まだ右も左もわからない研修医だった時、上級医の先生から、
上級医:先生、「ヒフミル」って知ってますか?
私:ひふみる???
上級医:皮膚科って、結構難しいですよね。でも皮膚は目に見えるものだから、視覚的な情報で診断することが多い。スマートフォンで写真を撮って、それをコンサルテーションって形で送ると、全国にいる皮膚科医から診断名や治療方針などが返ってくる。そんなアプリがあるんですよ。医師限定で登録できるんですけどね。
私:へ〜、それ超すごいですね〜〜٩( ᐛ )و
最初に勤めた病院では皮膚科の常勤医はいませんでしたが、週に2回皮膚科の先生が来てくださっていて、入院患者さんで皮膚のことで困った時は、その先生にコンサルテーションして解決して頂いていました。
なので正直、「ヒフミル」くんに頼ることはありませんでした。
そのうち「ヒフミル」くんに「メミル」ちゃんが加わり、皮膚科だけではなく眼科疾患についてもコンサルテーションが可能になりました。
・・時は流れて気がつくと僻地診療所勤務。皮膚のことでトラブルを抱えていても、なかなか皮膚科にかかれない、あるいは一度皮膚科を受診できても遠方のため定期的に通院することが難しい患者さんがとても多いです。皮膚科の教科書とにらめっこしながら、「多分これだと思うけど・・・」という日々がしばらく続きました。
そんなある日、そういえば、「ヒフミル」くんってあったなあ、とふと思い出し、使ってみることにしました。
今は「ヒフミル」から「ヒポクラ」へと名前が変わっていました。
ヒポクラとは
「ヒポクラ」とは、医師同士が情報共有したり、専門外の疾患を専門医にコンサルテーションしたりすることができるアプリです。医師のみ登録を許されます。
普通にApp storeで検索したら出てきます。
実際にコンサルテーションするには
皮膚科疾患は「ヒフミル」くん、眼科疾患は「メミル」ちゃんにコンサルできます。
以下の手順は「ヒフミル」くんでやっています。
まず、患部の写真を添付します。3枚以上添付しないとコンサルトできないようになっています。どうしても1枚しか撮れなかった、という時には3枚同じ写真を送ってもコンサルトは可能です。
次に患部がどこかを手書きで入力します。患部に適当に丸をつければ大丈夫です。
患者の年齢、性別、入院か外来か訪問診療かを入力します。
自覚症状(掻痒や疼痛があるか)を入力します。
硬いか軟らかいか、発赤はあるかどうか(押して消退するか否か)、
発症時期と経過(増悪しているか寛解しているかなど)を入力します。
発熱があるかないか、既往歴、内服歴を入力します。
現在治療中かどうか、投薬内容を書く欄があります。
入力はこれで終了です。
何度かコンサルテーションしましたが、どれも20分以内で返信がありました。
迅速でとてもありがたいです。
さいごに
僻地に勤めていると、使えるツールは可能な限り使ってやろうという気になります。
もっとこんな情報検索ツールがあるよとか、素敵な情報をお持ちの方はご教授いだだければ幸いです。
薬品情報を得たり、医療ニュースを見たり、web講演会を見たり、ポイントを貯めて楽しいことに使ったり。m3.comさんにもとてもお世話になってます。